信州に通い初めてどのくらい経つだろう。数えてみるともう15年ほどにもなる。カラマツ(唐松)の林が多いと思い始めたのはいつの頃だろうか。よく分からないが、 通い初めてすぐにそのような感覚を覚えたような気がする。カラマツは落葉松とも書く。日本では針葉樹は落葉しないが、この松は落葉する。春はもえぎ色の新緑、秋は黄色からやや明るい茶色となり、冬は霧氷を纏い、四季を通 じて色の変化が楽しめる。しかし、どうしてこんなにカラマツが多く植林されているのだろう。植林カラマツは建築用の柱材には向かないと大工さんから聞いたことがある。 材がねじれるからだそうだ。
八ヶ岳や蓼科山の、標高の高い辺りで天然のカラマツを撮影したことがある。自生するカラマツは樹齢がいっていることもあり、大きく風格もある。また規則正しく植えられた植樹ものに比べ、気候が厳しいせいもあってか、その枝は風の方に流れ、幹もごつごつしてワイルドな雰囲気だ。 |